しかも、すべての重症患者がECMOの適応になるわけではない。
「日本集中治療医学会など7学会、1研究会が先月24日に公表した『COVID―19 急性呼吸不全への人工呼吸とECMO基本的注意事項』によると、年齢が65~70歳以上は予後が悪いので、一般的には適応外となっています。また、末期がん、慢性心不全、慢性呼吸不全、その他、重度の慢性臓器不全の患者さんは予後が悪いので、適応には慎重さが求められます。また、人工呼吸器を7日間以上行った後にECMOを使っても予後が悪い、とされています」
もちろん新型コロナウイルス感染症は重症化の速度が速く、タイミングを逸すると本来の効果が期待できない。そのタイミングを見極められる医師がいなければ、好成績を望めないのは言うまでもない。
ECMOなどを使える専門スタッフを集めて集中治療センターをつくるなど、医療資源を効率的に使う体制を、早急に構築することが必要ではないか。
緊急企画 新型コロナを正しく恐れる