Dr.中川 がんサバイバーの知恵

大腸がんは「ステージ4」でも手術できれば生きられる

大腸がんで亡くなった轟二郎さん(2001年撮影)/(C)日刊ゲンダイ

 肝臓と肺に加え、この4月からは5個までのリンパ節転移についても、定位放射線治療が保険適用に。より負担の軽い治療が可能になっています。骨転移の痛みなどは、放射線がとても有効です。

 ステージ4でも、打つ手があるのが大腸がんですが、できるだけ早期発見するに越したことはありません。鳥越さんはトイレで異変に気づいたことがキッカケのようで、ステージ2。早期発見のカギとなる便潜血検査は受けておらず、いまも元気に活躍されているのは不幸中の幸いでしょう。

 しかし、不幸中の幸いはすべての人に当てはまることではありません。確実に「幸い」をつかむには、毎年必ず便潜血検査を受けること。それに尽きます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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