我々はいったい何を警戒するべきなのだろう。現役世代がコロナで命を落とす可能性はかなり低いし、重症化する可能性すら低い。
しかし中等症でも、患者の手記や証言によれば、相当きつそうだ。息切れや肺炎があれば「中等症Ⅰ」、酸素吸入が必要になると「中等症Ⅱ」に分類される。残念ながら、東京都は中等症の割合を公表していない。他県のデータを調べた限りでは、新規感染者の5~10%が中等症だ。ⅠのほうがⅡよりも多いと思われるが、そこまで細かい情報は出てきていない。
ただし中等症の割合は、PCR検査の実施件数によって上下する。無症状や軽症者のPCR検査を減らせば、感染者数を減らすと同時に、中等症患者の割合を高めることができる。東京都を例にとると、6000人近くを検査する日もあれば、1500件の日もある。それに応じて陽性者の数も上下する。要は各自治体の都合や思惑次第というわけだ。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。