医者も知らない医学の新常識

体質だけではなく環境も…「PM2.5」は喘息の原因?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 気管支喘息は気道のアレルギー性の炎症から、胸がゼーゼーと音を立てるような、特徴的な発作を起こす病気です。通常お子さんの時期に始まることが多く、両親が喘息を持っていると、お子さんにも起こりやすいという特徴があるので、体質の要素があることは間違いありません。しかし、その一方で喘息は最近非常に増えているので、体質だけではなく環境など、他にも喘息の原因があることもまた、間違いのないことなのです。

 この喘息の環境要因として、最近注目されているのが大気汚染です。排ガスなどで汚れた空気を吸うと、喘息発作が起こったり、喘息が悪化したりすることは、以前から知られています。ただ、大気汚染が喘息の原因であるかどうかは、はっきりと分かっていませんでした。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という医学の専門誌に、オランダでの研究結果が報告されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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