がんと向き合い生きていく

新型コロナの影響でがん検診を受ける人が大幅に減っている

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 毎日、まだまだ暑い日が続いています。

 新型コロナウイルス流行の影響で、多くの方と同じように私の親戚・知人、都会で働いている人たちは、実家に帰省することもなく9月に入りました。

 顔を合わせる機会がなくなり、電話で近況を報告し合っています。

「暑いね。どうしてる?」

「元気か?」

「今年の夏は田舎に誰も来なくて……トマトとキュウリでも送ろうか?」

 暑い中でも植物は強く、狭い庭で、肥料をあげたわけでもないのに、にょきにょき伸びた菊芋は私の背丈を超え、その周りでコスモスが咲き始めました。

 そして、近くの田んぼは緑色から黄色に変わってきました。

 テレビではコロナの感染者数が毎日報告され、同じ医師が毎日のようにコメントを述べていますが、一向に終息がみられません。みんな心の中ではイライラしながら過ごしています。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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