独白 愉快な“病人”たち

白血病と闘う能楽師の武田文志さん「医学の進歩を知った」

観世流能楽師の武田文志さん(C)日刊ゲンダイ

 今も「タシグナ」という白血病の特効薬は飲み続けています。不思議なのは、病後、大体年に1度は3~4日間の休養を余儀なくされるようになったこと。ある年はノロウイルス、またある年はインフルエンザ。昨年は後厄のせいか、声帯ポリープ手術、ギックリ首、インフルと一通り経ました(苦笑い)。年齢もあるのでしょうが、強制的に休養を与えられているようです。方々にご迷惑をおかけして申し訳ないとは思いつつも、悪いことと捉えず、みんなデトックス(解毒・排出)だと受け止めるようになりました。

(聞き手=松永詠美子)

▽たけだ・ふみゆき 1977年、東京都生まれ。重要無形文化財総合認定保持者。(公財)武田太加志記念能楽振興財団理事。観世流二十六世宗家・観世清和、人間国宝・野村四郎及び、父・武田志房に師事。3歳で初舞台を踏み、延べ百番ほどのシテ(主役)を務め、多くの大曲に異例の若さで挑み続けている。全国で経営者から学生まで幅広い層を対象として「能楽700年の歴史に学ぶ〇〇哲学」などの公演を展開し、多方面から注目を集めている。

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