秒速薬膳でアッという間に健康に

エビ・ショウガ・山椒の3点セットで体はポカポカ温まる

桜エビとショウガのスパイシー茶漬け
桜エビとショウガのスパイシー茶漬け(提供写真)

「冷えは万病のもと」と言いますが、まさにその通りです! 免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったり、疲労の原因になったり。そのうえ血液の循環が悪くなることで、頭痛、肩こり、生理痛など「痛み」に関する症状がひどくなりがちです。美容面においても顔色がくすんだり、肌が荒れたりと女性にとって冷えは「美の大敵」!

 いよいよ寒さが厳しくなるこれからの季節、新型コロナウイルス対策のためにもしっかりと食べて「温活」をしましょう。

 冷えを解消するには、体を温める食材選びが大切です。中医学において、すべての食材は体を温める「温熱性」、体を冷やす「寒涼性」、どちらでもない「平性」に分けられるとしています。夏は体の熱を冷ます食材が必要ですが、冬はとにかく温熱性の食材をしっかりと取り入れて体を温めること。いわば食べる「湯たんぽ食材」を取り入れましょう。

 薬膳的に体を温める王様的スーパー食材といえば、ショウガとネギです。ショウガはじつは「生姜」(しょうきょう)と呼ばれる立派な生薬。体の芯から発汗を促す効果があります。風邪、冷えによる胃腸不良や下痢の改善にもおすすめです。ネギも寒さを追い払い、しっかりと体を温める高いパワーがあります。どちらも冬場は、薬味として、また汁もの、鍋ものに積極的に利用しましょう。

 魚介ではエビ。魚介類の中で最も体を温める作用が高い「暖房魚介」なのです! とくに足腰の冷えに効果的。またアンチエイジング、精力増強にもおすすめです。

 また、冷え撃退に使えるのが「山椒」。体を温める効果がバツグン! 冷えによる腹痛の解消にも役立ちます。

 山椒というとウナギのイメージが強いかもしれませんが、肉や魚のソテー、炒めものにかけてもスパイシーな風味で相性ぴったり。「お手軽冷え解消まぶしテク」ですかさずヒートアップを。

 これらの食材は朝イチで取り入れるのがおすすめ。朝ごはんに温熱性の食材を食べると体が熱をキープして、日中の寒さを防げます。

 また、体を「冷蔵庫化する食べ方」を慎むことも大切です。体を冷やす寒涼性の食材に注意しましょう。トマト、レタス、キュウリなどの夏野菜、バナナ、パイナップルなど南国のフルーツは控えめに。

 意外に知られていませんが、大根、ゴボウや豆腐、牛乳、豆乳もクールダウン食材です。これらを食べるなら、体が熱を持っている日中に。冬場は基本的に加熱するか常温を心掛けてください。

■冷え解消 薬膳レシピ

桜エビとショウガのスパイシー茶漬け

 体を温めるエビ、ショウガ、山椒の3点セットで体に着火するお茶漬け。殻むき、背ワタ取りと何かと面倒くさいエビは桜エビを使えばOK。ダシも出ておいしく仕上がります。山椒はたっぷりと振って。スパイシーな風味が効いたお茶漬けは朝食にもおすすめ。余裕があるときは、刻みネギを入れるとさらに温活パワーがアップします。

【材料】(2人分)
・桜エビ 大さじ2
・ショウガのすりおろし 1かけ分
・スープ(鶏がらスープのもと小さじ2分の1、しょうゆ小さじ1)
・山椒、ラー油、こしょう 適量
・ごはん 2膳
・湯 2カップ

【作り方】
 茶碗にごはんを盛り、桜エビ、ショウガをのせてお湯を注ぎ、スープを加えたら山椒、ラー油をふり全体を混ぜて食べる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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