独白 愉快な“病人”たち

「死ぬんだろうな」と思った…樋口大悟さん白血病との闘い

樋口大悟さん(C)日刊ゲンダイ

 週末だったので病院は週明けに行くことにして、夜テレビを見ていると偶然、昭和60年に白血病で亡くなった夏目雅子さんの何周忌かの特番をやっていました。「あ、これだ」と直感が走りました。

 翌朝、病院で血液検査をすると、その日のうちに電話がかかってきて、「すぐに来てください」と言われ、そのまま入院になりました。

 骨髄検査の結果、急性骨髄性白血病が確定し、重症度は8段階で中ぐらいとのことで治療は抗がん剤と告げられました。そのとき、「この抗がん剤が効かなければ、生存率10%」と言われたことは今でもめちゃめちゃ覚えています。「死ぬんだろうな」と思いました。 一時は、「まあ、人生楽しかったし、いいか」などと、どこかで自分を納得させもしました。でも、たくさんの人がお見舞いに来てくれて、みんなから力をもらって、「生きたいな」「絶対、生きないとな」と思いが変化していきました。

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