秒速薬膳でアッという間に健康に

「腎」を強化して血行を促進するイワシとニラで腰痛を改善

イワシとニラの卵かけご飯
イワシとニラの卵かけご飯(提供写真)

 なんだかいつも気になる腰の痛み。一段と募る寒さ、そして年末の大掃除で腰痛が悪化しがちなこの季節、体の中からしっかりサポートしましょう。

 中医学では「腰は腎の府(容器)」といわれ、「腎」と呼ばれる臓器との関係が深いとされています。腎は老化をつかさどり、骨や髄とも関わる臓器です。そのため腎が弱ると、腰痛、腰が重だるい、足腰に力が入らない、骨が折れやすくなるといった「下半身の老化」が一気に加速します。

 長時間の立ち仕事、また逆に長時間座ったまま仕事をしている人や、車を運転する機会が多い人は、特に腎が衰えやすく腰痛を引き起こしがちなので、腎を強化する食材を取り入れることが大切です。また、ぎっくり腰の場合は血の巡りをよくする食材を取り入れましょう。

 おすすめはイワシ。腎の働きを高めて足腰を強化します。腰痛が気になるなら、即食べる「イワシップ」で対策を!

 野菜では「ニラ」が効果大。腎をパワーアップして腰の痛みを和らげます。ニラは別名を「起陽草」ともいうほど体を温める効果が高い野菜です。冬の腰痛対策として、積極的に取り入れましょう。この2つの食材は血行を促進する働きが高いので、ぎっくり腰の早期回復にも役立ちます。

 さらに、「ぬる、ねば食材」も腎を立て直すパワー大。ナガイモ、オクラ、ナメコはギクシャクした動きをスムーズにしてくれる潤滑油フードです。

 肉は牛スジがおすすめ。薬膳において、足腰を強めるためには「牛の筋をもって補う」とされ、腰痛に威力を発揮します。居酒屋の「煮込み」や、おでんの「牛スジ」で手軽に取り入れましょう。

 おやつにはクルミ、栗をチョイス。中国ではどちらも足腰強化とアンチエイジングに欠かせない木の実です。お手軽摂取としては杜仲茶が便利。骨、筋、関節を強化して足腰のだるさを解消してくれます。

■腰痛対策薬膳レシピ
イワシとニラの卵かけご飯

 腰痛改善に役立つイワシとニラを使ったアレンジ卵かけご飯。イワシは缶詰を使用、ニラは生のままたたいてのせれば、あっという間に完成です。パンチの効いたニラの風味がイワシと相性バツグン! 卵でまろやかさが加わったご飯は「ぎっくり腰対策」にもおすすめです。

【材料】2人分
●イワシ味付き缶1缶
●ニラ 4分の1わ
●卵の黄身 2個分
●白ごま 大さじ2
●ご飯 茶碗2杯分

【作り方】
 茶碗にご飯を盛り、ほぐしたイワシ味付き缶の身、包丁でたたいたニラ、卵の黄身をのせて、白ごまを振る。全体を混ぜて食べる。味が足りないときは缶汁で調整を。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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