ビートルズの食生活から学ぶ健康

菜食主義者のリンゴ・スターが摂取する動物性食品は卵だけ

果物中心の食生活でアンチエイジング(C)UPI/ニューズコム/共同通信イメージズ

「1989年にアルコールをやめて、まともになった」。1996年のあるインタビュー記事の中で彼はそう述べています。以来、生活スタイルを転換し、野菜と果物中心、飲むのは水だけという日々を過ごし始めます。妻のバーバラとともにベジタリアンになったわけです。ポール・マッカートニーに勧められたことがきっかけになったという説もあります。

 リンゴの食生活は「ナチュラルハイジーン」と呼ばれる健康科学のスタイルに似ているかもしれません。「体にとって必要なのはプラント(植物)ベースでホールフード(Whole Food)。つまりは野菜、果物、豆類、穀物、ナッツ類、種子類などを精製加工せずに丸ごと食べる」。これがナチュラルハイジーンの考え方です。

 1995年に来日した頃、リンゴは肉、魚、乳製品、卵などをいっさい取らない「ビーガン」であることが明らかになりました。バーバラ自身は1990年に「安全な食品キャンペーン」に積極的に関わった経歴もあります。またツアー中のリンゴはアシスタントの作ったものを持ち歩いて食べているようです。特にニンジンやビーツほか、さまざまな野菜をミキサーにかけたジュースがお気に入りで、もちろん飲料水にも気を配り、ミネラルウオーターを取るように心がけているようです。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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