Dr.中川 がんサバイバーの知恵

ホリエモンは接種済みのHPVワクチン 男性の効果と料金は?

堀江貴文(C)日刊ゲンダイ

 俳優の斎藤洋介さんは昨年9月、咽頭がんで急逝されました。がんと診断されたのは、亡くなる2カ月前だったといいます。もし斎藤さんがHPVワクチンを接種していれば、このがんが死因になることはなかったかもしれません。

 その点で興味深いのは、ホリエモンこと堀江貴文さんです。自分のがんを防ぎ、相手にも感染させない目的で、HPVワクチンを接種しています。立派です。

 堀江さんが接種したのは、シルガード9(9価)でした。これは今年2月、女性の子宮がんでの適応が認められたもので、男性は未承認。自費で接種したことになります。

 薬剤名の下のカッコ内の数字に注目してください。がんを発症させるHPVは複数あり、そのうち4つをカバーするのが4価で、9つを防ぐのが9価です。そこで気になるのは、4価と9価のどちらを接種すべきかという点でしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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