医者も知らない医学の新常識

健康な食生活の決め手はGI値 やはり糖質の過剰摂取は危ない

白いパンはGI値が高い

 同じカロリーを取っていても、太る人もいれば太らない人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか?

 体の代謝や運動量も重要な要素ですが、もう一つ重要なのは食品の「GI値」かもしれません。

 GIはグライセミック・インデックスの略で、その食品に含まれる糖質がどれくらい吸収されるのかを示した指標です。たとえばブドウ糖を100とした時に、白いパンは70以上と高GIの食品ですが、ライ麦パンはGI値が50と低GIの食品です。

 こうした個々の食品のGI値は、ネットなどで簡単に見ることができます。同じ糖質の量であっても、食物繊維が多いと吸収は緩やかになるので、それだけ血糖値の上昇も抑えられるのです。つまり、同じカロリーでも低GIの食品を選んで取ることが、体重を増やさない秘訣なのです。

 今年の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という一流の医学誌に、世界5大陸20カ国の13万人以上の一般住民を10年近く観察した、興味深い研究結果が報告されています。それによると、低GIの食事と比較して高GIの食事を取っていると30%以上、心臓病や脳卒中などのリスクが増加していて、そうした病気の既往のある人では50%以上も増加していたのです。

 GIの低い食品を選んで食べることが、長生きへの一番の早道であるのかもしれません。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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