独白 愉快な“病人”たち

もう歌えないかもと涙…エドアルドさん多発性硬化症と闘う

エドアルドさん(C)日刊ゲンダイ

 この病気は、中枢神経を覆っている髄鞘という膜が炎症を起こして剥がれ、神経がむき出しになることで脳からの信号が伝わりにくくなったり、異常な信号を伝えてしまう病気です。

「悪化すると自力では動けず車イスの生活になることもあります」と先生に言われたときの衝撃は言葉にできないほど強くて、「動けなくなる、ということは歌えなくなる?」と想像してしまって、そのほかの話が何も入ってきませんでした。

 それでも、「即入院」を2日延ばしてもらって、仕事のことや入院の準備をしました。マネジャーとの電話では涙、涙……。

 じつは入院当日は、ライブ配信をするという大事な日だったのです。

 大勢の歌手が出演するライブではありましたが、私にとってはコロナ禍で初めての配信ライブ。出演できることを楽しみにしていた分、落胆が大きく、病室でひとりその配信を見ながら、「もう歌うチャンスはないのかもしれない」と泣いてしまいました。

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