何事においても、モチベーションを維持することは大切です。先日聞いたある経験談で、改めてそれを感じました。コロナ禍で難しいこともありますが、参考になれば幸いです。
ある大学病院の外科病棟に勤務する看護師のKさん(40代・女性)は、仕事柄、どういう生活を送っていると太るのかについて、一般の人以上の知識を持っています。でも、彼女自身はかつてBMI(体格指数)26の肥満体でした。BMIは22が適正体重となり、25以上が肥満になります。
「太っていた原因は明らかです」とKさん。日勤や夜勤があるので仕事時間は不規則。だから食事時間もバラバラになりがち。疲れて帰ってきた時には食事を作る気力がなく、スナック菓子1袋を一気に食べてしまうこともあったそうです。甘いものも大好きで、クッキーやチョコレートを自宅に常備していて、よくつまむ。パンはさほど好きではないそうですが、おかずなしでも食べられる便利さから、病院からの帰り道に買うことも多かったとか。
「すると、お腹がすいていることもあり、『パンは焼きたてが一番おいしいから』と自分に言い訳しつつ、買ってきたバターロール5個をすべて食べてしまったりしていたんです」(Kさん)
■リバウンドなく痩せた体を維持
そんなKさんでしたが、この3年で体重を20キロ近く落とし、BMI22以下を保っています。転機となったのは、「暗闇フィットネス」と呼ばれるタイプのジムに出合ったことだそうです。
それは暗闇の中、大音量の音楽に合わせて、参加者みんなで体を動かすタイプのジムで、テレビで紹介されているのを見て、「これなら運動嫌いの私でも続けられるかも」と思い、すぐに申し込んだのだとか。
体験レッスンから好印象。レッスン自体は想像以上にハードでも、シャワーを浴びたかのように全身にたっぷりの汗をかき、それが非常に気持ちよかったといいます。何よりインストラクターの方の対応がすごく良く、特に最初にサポート係としてついてくれたインストラクターさんの対応が、Kさんのダイエットへのモチベーション維持につながったそうです。
「『Kさん、痩せました? 顔がスッキリしているように見えますよ!』とか、『食事は最近どうしています? スナック菓子の一気食べ、してないですよね』とか、常に気に掛けてくれるのがうれしかったんです」(Kさん)
インストラクターさんに喜んでもらいたいから、「今月中に○キロ痩せよう」と目標を立てられ、それに向けて努力できる。コンビニでスナック菓子を買うのをやめて、コンビニのおにぎりやサラダチキン、ゆで卵でお腹を満たそうと考えられる。休日には玄米を炊き、魚を焼いて冷凍。仕事帰りにパン屋に寄らず、それらの冷凍品をレンジで温めて食べるようにもなったそうです。
また、頻繁にジムに通うようになると、ジム友達ができる。彼ら彼女らの存在は大きく、一緒に強度の高いレッスンに参加したり、体脂肪を落とすためにやっていることを教えあったり。「みんなも体づくりのために頑張っている」という思いが、「だから私も頑張ろう」につながったといいます。
「同年代なのに腹筋が割れているような人が身近にいると、『私も、ああなりたい』と思いましたし……」(Kさん)
残念ながら、サポート役だったインストラクターさんは家族の転勤で昨年ジムを辞めてしまったそうですが、体を動かす爽快さを知ったKさんは、今では月30回はレッスンに参加しているとのこと。
「運動嫌いだったのに、ジムは楽しい。仕事で疲れていても、仕事とジムの疲れ方は違うので、帰り道にジムに寄ります」(Kさん)
生涯付き合う病気である糖尿病を抱えているみなさんには、ぜひモチベーション維持につながる何かを見つけてほしいと思います。
進化する糖尿病治療法