独白 愉快な“病人”たち

顔が「白い」と夫に言われ…東ちづるさん胃がん克服を語る

東ちづるさん(C)日刊ゲンダイ

 すぐに病院に電話をして症状を告げると、「すぐ来てください」と言われて病院に行きました。到着して即車椅子に乗せられて医師の目の前に連れて行かれると、医師が私の下まぶたを“アカンベー”するように見て、「すぐ入院手続きして」と言うのです。「え? ちゃんと診察してください」と返すと、「このまま放っておいたら命をなくす人もいるんですよ」と言われ、結局そのまま1週間の入院になりました。やはり胃潰瘍で出血していて、内視鏡で縫う手術を受けました。

 がんが分かったのは退院から2~3日後です。「99%良性だろう」と言われていたのですが、病院から呼び出しがあったので、「あ、1%の悪性だったんだな」と察しました。医師から告げられる前に「がんだったんですね」と切り出し、極めて初期のがんでスキルス性ではないことを確認しました。

 治療は、胃の2分の1切除手術を提案されました。でも、私は「ほかにありませんか?」と何度も食い下がったんです。「切除手術がスタンダードなことは分かりますけれど、『切るほどじゃなかった』という確率はどのくらいですか?」と聞いてみたのです。すると、「90%」という回答。ならば2分の1切除じゃない方にしようと思い、最後の最後の選択として出てきた「内視鏡的粘膜下層剥離術」を選びました。リンパ節に転移がなく、場所や大きさが条件に合ったからこそできる手術です。

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