役に立つオモシロ医学論文

日付が変わる前に眠りにつくと肥満を予防できる? 米国で論文が

日付が変わる前に就寝

 世界的に見ると、肥満の人は増加していることが知られています。現代社会を生きる人はまた、睡眠時間が短い傾向にあることも知られており、睡眠不足と肥満の関連性が指摘されてきました。

 しかし、肥満のリスクを高める就寝や起床のタイミングについて、詳しいことは分かっていませんでした。そんな中、睡眠状況と肥満の関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルの2021年6月号に掲載されました。

 この研究では26カ国に在住している13万6652人(女性59・8%、平均51・0歳、平均睡眠時間7・8時間)が解析対象となっています。研究参加者の就寝および起床の時刻、夜間の睡眠時間や昼寝の有無などが調査され、肥満(身長と体重で算出される体格指数BMIで30以上)や腹部肥満(腹囲が男性で102センチ以上、女性で88センチ以上)との関連性が検討されました。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、性別、教育水準、喫煙・飲酒状況などの因子について、統計的に補正を行い解析されています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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