世界的に見ると、肥満の人は増加していることが知られています。現代社会を生きる人はまた、睡眠時間が短い傾向にあることも知られており、睡眠不足と肥満の関連性が指摘されてきました。
しかし、肥満のリスクを高める就寝や起床のタイミングについて、詳しいことは分かっていませんでした。そんな中、睡眠状況と肥満の関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルの2021年6月号に掲載されました。
この研究では26カ国に在住している13万6652人(女性59・8%、平均51・0歳、平均睡眠時間7・8時間)が解析対象となっています。研究参加者の就寝および起床の時刻、夜間の睡眠時間や昼寝の有無などが調査され、肥満(身長と体重で算出される体格指数BMIで30以上)や腹部肥満(腹囲が男性で102センチ以上、女性で88センチ以上)との関連性が検討されました。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、性別、教育水準、喫煙・飲酒状況などの因子について、統計的に補正を行い解析されています。
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