新型コロナワクチンの疑問に答える

東京五輪 デルタ株の流行地域からの選手の対応は万全なのか

空港でも接触は避けられない(成田に到着、ポーランド代表や関係者)/(C)共同通信社

 五輪組織委によれば、来日中の選手やスタッフの陽性者が、今月1日の公表開始から通算71人に上った(20日時点)。感染対策として一般国民との接触を断つ「バブル方式」が採用されたが、止まらない陽性者の報告に不安が拭えないままのスタートとなった。

 競技が始まれば各国の選手や関係者が随時、入国する。1日で数千人規模が空港に降り立つ日もある。

【Q】デルタ株の流行が深刻なインド、タイ、インドネシアをはじめとする東南アジアからの選手の入国は懸念事項のひとつ。流行地域からの選手の対応は万全なのか

【A】「デルタ株の流行地域からの選手や関係者は、本来なら極力参加を控えてもらうのが感染予防としては適切です。2回のワクチン接種済み、毎日のPCR検査実施は当然ですが、たとえ入国時に陰性だったとしても、最初からグループ単位で移動させるのはリスクが大きい。個々の選手を2週間隔離してから、チームに合流させるくらいの徹底をしてほしいですね」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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