進化する糖尿病治療法

子供に頼れないから…老親が健康維持のためにやっていること

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 1日3回の歯磨きの間はスクワット。夕方には、2人で近所を1時間ほど散歩。夜寝る前には念入りにストレッチ。さらに、T雄さんは1時間ほどで登れる近場の山へ時折出掛け、K子さんは週4回は近所のスポーツジムへ泳ぎに行きます。

■コーヒーには牛乳をたっぷり

「食事はごく薄味。畑で野菜を育てているので、旬の野菜料理が多い」(Aさん)

 薄味嗜好は昔からで、娘のAさんもそれを受け継いでいます。T雄さん、K子さんともに痩せ形ですが、テレビで「高齢者はタンパク質を中心に食べないとフレイルやサルコペニアになる」と紹介されているのを見てから、コーヒーは牛乳たっぷり、味噌汁には豆乳を加え、肉、魚、乳製品のいずれかを意識して毎食取るようにしている。

「『○○○がいい』と聞くと、過剰にならない範囲で日常生活にすぐ取り入れる。私が10年くらい前に、タマネギを電子レンジで加熱して凍らせた『タマネギ氷』が血管にいいんだってと言ったら、それ以来ずっと『タマネギ氷』を作っていて、納豆にかけて食べているんです。根っからの関西人である両親は納豆を好きじゃなかったんですが、体にいいからと何十年も食べ続けています」

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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