認知症を予防する補聴器のすべて

電話での会話が苦手…新機能搭載タイプならスムーズに聞こえる

写真はイメージ

 補聴器の業界団体「日本補聴器工業会」が2018年、補聴器ユーザーと難聴者の大規模調査を行いました。その中にあった質問「より良い聞き取りを最も必要とする場面はどれですか?」に対し過半数の人が挙げたのが「電話での会話」です。

 電話の通話における周波数帯域は300~3400ヘルツ。それに対して人間の耳が聞こえる周波数は20~2万ヘルツとされており、電話の音の方が、実際の会話で使われる周波数の幅より狭い。つまり、電話では音質が劣化し、それが聞き取りづらさにつながります。また、電話だと相手の口元や表情、身ぶりなどで情報を補えないため会話を予測することが難しく、電話での会話を苦手とする方が多いのです。

 そんな電話での不便を改善するために、近年ではスマホにかかってきた電話の声をスマホから補聴器に直接飛ばす「ダイレクトストリーミング」機能が付いているものや、またその音を両耳で聞くことができる機能を搭載している補聴器などが発売されています。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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