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がん検査「CT」「MRI」「PET」はそれぞれわかることが違う

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 最近のCTでは頚部から骨盤まで10秒ほどで撮影でき、体幹部の横断とそれに直行する縦断(冠状断、矢状断)などで画像を再構築できるため、立体的な3次元像が得られ、正常臓器との位置関係が分かりやすくなっています。

 MRI検査は、体の細胞に含まれる水素原子を磁力と電波によって揺さぶり、原子の状態を画像化したものです。軟部組織のコントラスト分解能が高いので、CTではコントラストがつきにくかった脳、肝臓、子宮、骨軟部の腫瘍の診断に有用性が高く、特に骨、神経、血管、靱帯、椎間板、半月板を映すことも可能です。しかし動くもの、心臓や腸管は像がぶれてしまうためできません。

 MRCP(MR胆管膵管撮影)は、MRI装置を用いて胆嚢や胆管、膵管を同時に描出する検査です。胆管がん、胆嚢がん、膵臓がんをはじめ、ほかに膵嚢胞性疾患、胆管や膵管などの解剖学的異常、胆石、総胆管結石の診断に役立ちます。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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