科学が証明!ストレス解消法

どんな性格の人でも他人の幸せを願うと自分が幸せになれる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 このように4つの考え方を持つグループに分けて実験を行い、その上で散歩の前後に不安、幸福度、ストレス、共感性、他者とのつながりなどの要素をスコア化しました。

 その結果、【グループ1】の他人の幸福を願うグループがもっとも幸福度が高く、不安が減少し、共感性や他者とのつながりにおいてもプラスの作用が働いたことがわかったそうです。さらに興味深いのは、個人差が実験結果にほとんど影響をもたらさなかった点です。つまり、自己愛が強いナルシシストな人でも、協調性のある人でも、他人の幸せを願った人たちは等しく効果があったのです。

 また、米ヒューストン大学のラッドらの研究(2014年)によれば、利他的な行為の中でも、より身近かつ具体的な行為をする方が、自身の幸福度を高めることが判明しています。研究では、「社会貢献をしよう」といった抽象的な目標の行動より、「他人を笑顔にする」や「リサイクルの量を増やす」などの、より具体的で実行に移しやすい行動を行った被験者の方が、幸福度が高いという結果。「情けは人のためならず」には科学的根拠があったのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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