最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

食事はQOLに直結 満足した食生活を送るために訪問歯科を実施

写真はイメージ

 入院から在宅医療に切り替えた患者さんが、自宅に戻って、病院との違いにうれしい戸惑いを見せるのが食事です。そしてこの時、食事をすることが自分の体と心を養い、生活の質を高める重要な行為だと改めて気付く方が少なくありません。

 そういった患者さんの「生活の質」を意味する言葉にQOL(Quality of Life)があります。患者さんやご家族が納得し、受け入れてもらえなければ成立しない在宅医療では、ことさらこのQOLは大切な意味を持ちます。

 特に食事は、在宅医療において患者さんのQOLを確保するためにひときわ重要だと考えます。

 そのため在宅医療では、できるだけ満足した食生活を送ってもらうため、必要に応じて口腔ケアのための歯科医師の派遣を行っています。在宅医療の一環として治療を受けるこの訪問歯科では、歯科医が直接、利用者の食生活の現場を見られるので、在宅医療同様に、よりきめ細かく患者さんに合ったテーラーメードな治療を提供できます。

1 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事