役に立つオモシロ医学論文

ワクチンのブースター接種でコロナ感染による死亡が90%減る 著名医学誌に論文

ブースター接種により死亡リスクは90%低下(C)共同通信社

 今年の秋以降、新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着きを取り戻しつつあります。しかし、世界的にはオミクロン変異株の出現など、まだまだ予断を許しません。また、2回目のワクチン接種から半年以上が経過した人も多く、感染予防に対する効果の減弱も懸念されています。

 そのような中、世界各国では新型コロナウイルスワクチンのブースター接種(3回目の追加接種)が開始されています。

 日本でも今月から、2回目のワクチン接種を終えた日から8カ月以上経過した18歳以上の方を対象に、ブースター接種が始まっています。

 一方で、ブースター接種の有効性に関する研究データは限られているのが現状です。そんな中、世界的にも有名な医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の電子版に、新型コロナウイルス感染症に対するブースター接種の有効性を検討した研究論文が2021年12月8日付で掲載されました。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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