幸先の良いスタートを切るための正月食事術

正月太りの意外な原因 寝不足は甘いお菓子に手を出しやすい

寝だめより昼寝を

 睡眠不足になることで、深夜までエネルギーをたくさん取り、起床後もハイカロリーなものを食べたくなる。その上、寒さでなかなか活動しづらくエネルギーが消費できない……年末年始はまさに負のスパイラルに陥りやすい時期とえいます。いつも通りの生活リズムを乱さないことこそが、肥満にならずに済む近道と言えそうです。

■30分昼寝でリズムを整える

 とはいえ正月休み中は思いっきり夜更かししてしまった……という人に解決策はないのでしょうか?

 まず思いつくのが徹夜後の「寝だめ」です。睡眠不足になると、ストレスホルモンといわれるコルチゾールの血中濃度が増加します。しかし、週末2日間の寝だめでは正常値にまで戻らないことが報告されています。

 さらに、寝だめは毎日、短時間睡眠するより健康に悪いという報告もあるのです。「熟睡」「寝だめ」「短時間睡眠(慢性睡眠不足)」の各グループで、長期間続くと糖尿病発症リスクが高くなるといわれるインシュリン感受性を調べたコロラド大学の報告によると、インスリン感受性が10%以上低下していた短時間睡眠よりも、寝だめは約30%も低下していることがわかったのです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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