名医が答える病気と体の悩み

大音量じゃないと聞こえない…ヘッドホン難聴の兆候は?

耳鼻咽喉科専門医の瀬尾達氏(提供写真)

 すでに難聴が進行してから診察を受けるので、治療に時間がかかります。治療としては、末梢血流改善作用がある「ビタミン剤」、内耳の血流の循環を改善し神経機能回復を促す「循環改善剤」を服用します。

 予防としては、80デシベル程度の大音量で音楽などを聞くのは1日1時間未満とし、60分聞いたら、30分休憩することなどが勧められます。また、周囲の雑音を打ち消す機能の付いた「ノイズキャンセリング機能付き」のヘッドホンやイヤホンに替えるだけで、内耳への負担が減ります。

▽瀬尾達(せお・わたる)耳鼻咽喉科専門医。京都大学医学部大学院修了。兵庫県尼崎市で、瀬尾クリニックを開設し、毎日250人以上の患者を診察。また、京都大学医学部講師や大阪歯科大学講師も兼任。厚労省指定臨床研修医療機関、難病治療指定医として、とくに「突発性難聴」「メニエール病」や「プロの歌手や声楽家の音声治療」の診断と治療に力を入れている。

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