8年ぶり再開の子宮頚がん予防のHPVワクチン いま知っておくべきこと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 HPVは主に性交渉で感染するため、思春期前の接種が望ましく、定期接種の対象は小6~高1の女性。標準的には6カ月間に3回接種する。

「ただし、HPVは一度感染しても消えることが多く、思春期以後の接種でも十分に有効。20~25歳の日本人女性で、子宮頚がんの原因になりやすいHPV16、18型に感染しているケースは10%に過ぎず、この年代でも90%の人に有効性が期待できます」

■接種の効果は?

 子宮頚がんはHPV感染後、前がん病変を経て発症する。各国の研究でHPVワクチンの効果は感染をほぼ100%防ぎ、前がん病変、子宮頸がん双方の予防は80~90%台と非常に高い。接種年齢が低いほど抗体価の上昇が高い。

 日本では子宮頚がんは毎年約1万人が感染し、2800人が命を落としている。一方、子宮頚がん検診の高い受診率に加えて、HPVワクチン接種が進んだ諸外国では子宮頚がんの罹患数は激減している。

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