感染爆発のオミクロン株 空気感染を考慮して換気の徹底が重要

冬は感染力がアップする(C)日刊ゲンダイ

 換気が悪い室内では、人と人の距離を1メートル以上あけ、アクリル板で間を仕切っても、飛沫核が室内を循環すれば1人がその場にいる全員にウイルスをまき散らす。

「感染対策としてマスクの着用は重要ですが、空気感染を考慮するとそこまで安心はできません。東大医科学研究所の研究では、不織布マスクをしている場合、50センチ離れた時に排出するコロナウイルスが70%以上減り、飛沫や飛沫核で侵入するウイルス量を47%以上減らせる効果があるとしています。逆に言えば、50%以上はウイルスの侵入は防げないということです。95%以上の微粒子を捕捉できると称されるN95マスクでも、完全密着でなければ、ウイルスの10%は侵入するとされています」

 マスクをしていても空気感染は十分に予防できないとなると、重要なのは、やはり「換気」だ。

「室内を長時間漂う飛沫核を屋外に排出する必要があります。WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病対策センター)の報告では、換気が1時間に2回以下になると、ウイルスの拡散に有意な関連があるとしています。ですから、換気は1時間に2回以上の頻度で行うのが望ましい。個室や仕切られた場所で、適切な換気が徹底されていれば、別のグループへの感染リスクはほぼなくなります」

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