腰痛のクスリと正しくつきあう

筋弛緩剤を使う場合は併用する薬に注意する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腰痛診療ガイドラインでは、治療薬として「筋弛緩剤」が第2選択薬として推奨されています。腰痛では筋肉の緊張が起こって収縮し、さらに痛みを助長しているケースもあるため、その原因である筋緊張を緩和する薬剤を用いて筋肉のこりやこわばりを解きほぐし、血流を促します。

 腰痛治療における筋弛緩剤は、エペリゾン、アフロクアロン、クロルフェネシンカルバミン酸エステル、チザニジンなどの内服薬が繁用されています。ただ、これらの薬は中枢神経に作用して効果を発揮するため、眠気、ふらつき、めまいなどの副作用が出ることがあります。

 さらに気をつけたいのは、他の薬剤を服用している場合です。ニューキノロン系の合成抗菌薬やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と筋弛緩剤を併用すると、薬物相互作用によって効果が強く出すぎたり、減弱したりすることがあります。

 筋弛緩剤は市販されているものもありますから、使用する際は医師や薬剤師に確認してください。お薬手帳などは常に携帯し、医療機関の受診時や薬局での購入時に持参されるとよいでしょう。また、同じく腰痛診療ガイドラインでは「抗うつ薬」も慢性腰痛の第2選択薬となっています。

1 / 3 ページ

池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

関連記事