コロナ後遺症の嗅覚・味覚障害はどう治療するのか? 医大教授が4つの治療法を解説

コロナ治癒後も嗅覚・味覚障害が続くケースも(C)PIXTA

 繰り返しになるが、コロナ治癒後も続く症状に対して、エビデンスのある治療法は確立されていない。

 コロナ後遺症外来などでさまざまな治療が試みられているものの、三輪教授は「嗅覚障害に関しては、ステロイド、漢方薬、ビタミン製剤、味覚障害には亜鉛。これが現在改善の可能性を持つ治療法と考えています」と話す。

 嗅覚・味覚障害で受診する場合は、嗅覚検査、味覚検査ができる耳鼻咽喉科が望ましい。

「破壊された嗅神経が修復されるには時間がかかります。月単位で少しずつ改善していくため、本人は自覚しづらい。私は3カ月おきくらいに嗅覚・味覚検査を行い、改善度を患者さんに示しています。それが治療のモチベーションにつながるからです」

 改善のスピードはゆっくりではあるが、多くの患者さんはよくなり最終的には嗅覚・味覚を取り戻す。希望を捨てずに治療に取り組みたい。

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