進化する糖尿病治療法

これさえすれば血糖値が下がる…ワンポイント情報に騙されない

毎日続けられる運動を(C)日刊ゲンダイ

 最後にもうひとつ。糖尿病患者さんに伝えたいのは、エビデンスのある、正しい情報を入手してほしいということ。

 テレビのワンポイント情報を信じてしまう患者さんが珍しくありません。「納豆を食べると血液がサラサラになる」「ヨーグルトで免疫力を上げる」など。「1つ何かをしたらすべて解決」ということは、病気治療ではあり得ません。

 新しい情報に敏感になってほしい。糖尿病に限らず、病気の治療法、薬はどんどん進歩しています。数年前とガラリと変わってしまったことも数多くあります。自分が患う病気の情報に敏感になり、雑誌や新聞で新しい情報を得たら、切り抜いて主治医に「こんなこと書かれていたんだけど」と話すのも手です。今服用している薬より、もっと効き目が良い薬、服用回数が少なくて済む薬に替えられるチャンスかもしれません。

 日本糖尿病学会の大きな目標は、糖尿病であっても健康な人と変わらない人生を送る。みなさんがそうなることを祈念しています。(おわり)

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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