日本で一番感染者が多い性感染症「性器クラミジア」を甘く考えてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 感染力が強いことが知られていて、1回の性交で感染する確率は50%。この病気が怖いのは感染しても自覚するのが難しいこと。男性で自覚するのは50%、女性ではさらに少なく20~30%といわれている。

「女性の感染がわかりづらいのは症状が出たとしても軽く、『おりものの増加』『下腹部痛』『排尿痛』『性交痛』などで、治療せずに我慢してしまうケースが少なくないからです。そのため、知らず知らずのうちにパートナー同士でうつしあっている可能性が高いのです」

 当然のことだが、この病気は治療しなければ治らない。

「クラミジアは若い女性の子宮頚部や子宮頚管部の粘膜にある円柱上皮細胞が好きで、この細胞のあるところに好んですみつくといわれています。そのため卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎などになりやすい。男性は前立腺炎や精巣上体炎になりやすいことがわかっています。注意したいのはクラミジアは性器だけに感染するわけではないこと。喉や目、肛門などさまざまなところに感染します。しかし、保険診療では1度の診療で1部位の検査しか認められていません。ですから1度病院で検査してもらったからといって、体に感染したクラミジアのすべてを発見して治療したことにならない場合があります」

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