名医が答える病気と体の悩み

「スマホ」の使い過ぎで認知機能が低下するのは本当なのか

脳神経内科医の永澤守氏(提供写真)

 前頭葉は、性格や情動(キレやすい)、意欲や自発性(やる気がおこらない、これまでやっていたことをしなくなった)、想像力・思考(考えられなくなる)をつかさどる部位なので、認知症に似た症状が出てくるのです。

 ただし、デジタル認知症は加齢による認知症とは異なるため、改善の余地はあります。物忘れが増えたり、仕事の効率が悪くなったり、自覚症状があれば、通勤時間や食事中、寝る前などスマホを使う時間を減らしてください。

 しばらく、スマホはメールチェックのみにして、情報は新聞や雑誌をはじめとしたテキストに切り替えましょう。

 また、先のスタンフォード大の研究のようにマルチタスクによるリスクが考えられます。

 音や動きのあるユーチューブのような動画コンテンツによる脳への負荷を減らすことも心がけてください。

▽永澤守(ながさわ・まもる) 2002年3月福井医科大学(現福井大学医学部)卒業。美濃市立美濃病院内科、東京さくら病院および同認知症疾患センターなどの勤務を経て、現在はかつしかキュアクリニック院長。

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