「現在、原発性腋窩多汗症のアルゴリズム(診療手順)として、まずは外用薬である制汗剤(抗コリン薬、塩化アルミニウム)、効果が不十分ならボツリヌス毒素製剤、それでも効果が不十分なら内服抗コリン薬という案がまとめられ、日本皮膚科学会に提出されている段階です」
繰り返しになるが、塩化アルミニウム外用薬以外、保険適用。ただし、ボツリヌス毒素は重度のみ保険適用だ。外用薬、ボツリヌス毒素、内服薬で効果がなければ、保険適用外のレーザー治療、手術、保険適用であるものの条件付きの腹腔鏡下交感神経遮断術という選択肢もある。
「抗コリン薬の外用薬は長期的に使っても問題ありません。夏のひどい時だけ使う方法もあります。ボツリヌス毒素は数カ月間効果が持続するため、6月ごろに注射し、ひと夏を乗り越えるという人もいます」
覚えておきたいのは、冒頭で触れたように、「わき汗」に悩んでいるなら、治療という選択肢があるということだ。