認知症を予防する補聴器のすべて

障害は社会の問題 手話が一般化すれば難聴はハンディにならない

写真はイメージ

 聞こえづらさに悩む人が、補聴器をつけることで難聴という障害を克服し、社会活動を行ってきた例をこれまでいくつもお伝えしてきました。

 実はこの障害には、「医学モデル」と「社会モデル」の2つの考え方があります。

「医学モデル」とは、障害は個人の心身機能が原因であるとする考え方。一方「社会モデル」は、障害は社会における物理的、制度的、文化・情報、生理的意識上などの各種のバリアーによって引き起こされているという考え方です。

 たとえば、車椅子の方がレストランに入れない。でも入り口が広かったり、エレベーターがあれば、不自由なく入店できるでしょう。その場合は車椅子の方も健常者の方もお店に入る障害はありません。

 このように障害は、環境やモノなど社会の側にあるという「社会モデル」の考え方が広がってきました。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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