医者も知らない医学の新常識

サウナで心臓も「ととのう」? 運動できる施設が大人気

写真はイメージ

 サウナがこれまでにないほど流行しています。若い人が運動をするように行うサウナは、高温の風を浴びたり、その直後に水風呂に入ったりと、かなり体に強い負荷を与えるもので、中高年の方の健康維持には、あまりお勧めできる方法ではありません。ただ、無理なく短時間、温めた蒸気の中に身を置く入浴法としてのサウナは、健康増進の効果があり、通常の浴槽に入る入浴法より、むしろ安全性も高いことが知られています。

 サウナの発祥とされるフィンランドでは、比較的低温で安全性の高いサウナ習慣の健康効果が、科学的に研究されています。その成果のひとつとして今年の生理学の専門誌に、運動とサウナの健康効果を研究した論文が掲載されています。

 普段あまり運動をせず、高血圧などの健康リスクのある中年の一般住民を対象として、何もしない場合と、運動だけの場合、運動とその後のサウナを組み合わせた場合に分けて、その習慣を2カ月間継続しました。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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