しかし、看取りに至るまでの患者の食事やトイレ、入浴の世話が不安という人は多い。
「すべてがラクだとはいいません。それでも、愛する家族のために、トイレや食事の介助、夜間のサポートもしたい、そういう思いが原点にある人は少なくありません。夜の不眠や不穏で家族が起こされるのが大変だと考えて、睡眠薬や安定剤を処方しようとしても、『私が赤ん坊の時に、親はこうやって面倒見てくれたのかなと思うんです』と語る家族の方もおられるのです。その一方で、愛情と日常に挟まれて耐えられないストレスになることもあります」
■地域が家族を支える
もし家族が患者の世話に疲れた場合は、2~4週間、病状の安定している患者を病院が受け入れる「レスパイト入院」制度がある。いまはそれで家族が休むことができる。