過剰な“コロナ恐怖”が引き起こす医療トラブル 在宅の現場でも…

異常事態が常態化している(C)日刊ゲンダイ

 自宅で自立した生活が送れる呼吸状態で、一定期間の投薬や安静で治る人も「家族からの隔離目的」という名目で入院に誘導されているケースもある。

「実際、在宅診療の現場では、『コロナ患者には介入できない』と言う医療機関、訪問看護、ヘルパーなどがいます。そのため本来なら十分に自宅で対応できる人でも、コロナとわかると誰も介護介入ができず、結果として無駄に入院や救急搬送となってしまうのです」

 今回のコロナ禍では、コロナそのもので命を失うケースは極めて少ない。それは、感染者全体から見る重症化率や死亡率の低さから明らかである。もちろん、全国的には実際に感染して重症化して家族を失った人もいれば、感染による後遺症に苦しんでいる人もいる。その人たちからすると「コロナを甘くみるな」と言いたくなるのは当然だろう。

 しかし、それは新型コロナに限らずすべての病気に言えることだ。「風邪は万病のもと」と言うように、コロナを軽視しているわけでもないし、しっかりとした感染対策や重症化に応じた治療への対応をすることは当然である。

4 / 5 ページ

関連記事