「血液型」でがんのリスクが予想できる時代が近づいている

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ところが今世紀に入ってから、状況が一変します。医療のIT化が急速に進んだ結果、欧米を中心に、巨大な患者データベース(100万人規模)が作られるようになったのです。また特定地域の住民(10万人規模)の健康状態を長期間にわたって記録する「コホート(集団)調査」も盛んに行われるようになりました。それによって、前世紀には考えられなかった規模と精度で、血液型とがんの関係を調べることが可能になってきたのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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