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TikTokでバズってる「クワイエット・クイッティング」って何?

言われた通りの仕事だけを淡々と…(C)monkeybusinessimages/iStock

 しかし、そう簡単には辞められない。そこで若者たちが発見したのが「一生懸命働くのはやめる」という選択です。

 どんなに必死で働いても時給は上がらない、頑張るだけ頑張って体も心もヘトヘトなのに、辞めたくても辞められない。でも会社の都合でいつ首を切られるかわからない。そんな仕事環境の中で、アメリカ人の6割近くが疲れ切っているという数字もあります。

 それならメンタルを守るためにも、言われた通りの仕事だけを淡々とする。つまり、職場でのワーク・ライフ・バランスを確保すること。それが「クワイエット・クイッティング」だと言うのです。

 確かに私たち働く者にとって、人生の3分の1は仕事に費やしていることになります。ましてやリモートとなると、どこまでが就業時間なのかも曖昧になりがち。

 アメリカの職場の文化、日本とは違う部分もありつつ、新たな意味でのワーク・ライフ・バランスが必要な時代がやってきているのかもしれません。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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