五十肩を徹底解剖する

肩凝りは肩や首に原因があるとは限らない 意外な病気かも

写真はイメージ

 一方、本態性肩凝りは、レントゲンや血液検査では特別な所見がなく原因は明らかではないもの。普段の生活で起こる一般的な肩凝りは、大抵、本態性肩凝りに含まれます。

 本態性肩凝りの問題は、病状があるのに、病院では異常なしと扱われてしまいやすい点です。湿布や痛み止めをもらう程度に終始しがちです。

 その一方、凝りがひどすぎると吐き気やめまいなども起こし、気持ちが落ち込み、気がめいってしまうなどの「うつ状態」を生じることもあります。

 本態性肩凝りは命にかかわりませんが、頻度が高いわりには積極的治療を受けられずに生活の質を著しく低下させることもある点では、より厄介です。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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