人気医師の和田秀樹がズバリ教える「老化を遅らせる生活」

104歳を前に出版記念会見を行う日野原重明さん(2015年)/(C)共同通信社

 国立長寿医療研究センターは50歳以上の男性381人を対象に1日の歩数と前頭葉の萎縮について調査。その結果、最も多く歩くグループは、最も少ないグループに比べて萎縮のリスクは4分の1にとどまった。女性は歩数との関係が認められず、1日の総エネルギー消費量が多いほど低リスクだった。2つの結果から、男性は毎日6000歩、女性はエネルギー消費に必要な筋肉量の維持を推奨している。筋肉の維持に必要なのは、やっぱり肉だ。

 電車やバスなど公共交通網が備わっている都市部はともかく、地方では車が生活の足になっている。ところが、高齢者の交通事故が相次いでいることから、高齢者の免許返納も社会問題だが、返納する前に考えるべきことがあるという。

「免許を返納して外出が制限されると、高齢者は買い物にも病院にも行けなくなります。もちろん必要なケースは、家族の運転で出かけるのでしょうが、そうでなければ確実に外出の回数が減る。その結果、足腰が弱まって、認知症のリスクが高くなるのです。ですから、まずは衝突防止装置やペダル踏み間違い防止装置など最新の安全装備がある車への買い替えをお勧めします。少なくとも60代は10年後、15年後の免許返納を心配するより、買い替え資金を心配する方がよっぽど賢明です」

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