役に立つオモシロ医学論文

新型コロナ対策で“不誠実な行動”をしていた米国成人は4割以上いた

コロナ禍の2021年ニューヨーク、ノーマスクで買い物を楽しむ女性たち(C)ロイター

 調査の結果、全体の41.6%にあたる721人が、9つの質問のうち少なくとも1つで不誠実な行動をしていました。具体的には、実際よりも多くの感染予防行動をしているとウソをついた経験のある人が24.3%、新型コロナウイルスの感染が判明した後にもかかわらず自宅隔離を守らなかった経験のある人が22.5%、新型コロナウイルスに感染している可能性があると思ったにもかかわらず検査を避けた経験のある人が21.0%でした。一連の行動理由として、「普段通りの生活をしたかった」や「個人の自由を行使したかった」などが挙げられています。

 論文著者らは「感染対策に関するウソの報告や不誠実な行動が広く浸透しており、感染予防策の有効性が損なわれている可能性がある」と指摘しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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