第一人者が教える 認知症のすべて

オリーブオイルが豊富な地中海食で脳の前頭葉機能が改善

さまざまなものをバランスよく(C)日刊ゲンダイ

 そこで研究者らは、穀物が脳に悪いのではなく、うどんやそうめんなど単体で食べることが問題ではないかと考え、食の多様性に着目し、さらに研究。すると、さまざまな食品群をバランスよく食べている、つまり食の多様性が高い人ほど認知機能が下がりにくいことがわかったのです。

 卵かけご飯を食べる人より、ご飯、納豆、卵、煮物、魚、具だくさん味噌汁とおかずがたくさんある方がいい。認知症リスクを下げるには何を食べればいい──? シンプルな答えとしては、いろんなものをバランスよく、となるかもしれません。

5 / 5 ページ

新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

関連記事