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心の問題の解決には体が必要…米国で「ソマティック・セラピー」が注目されるワケ

写真はイメージ(C)iStock

 ソマティック・セラピーが注目されています。簡単にいうと、言葉のカウンセリングだけでは解決しない心の問題を、体と一緒に解決しようという療法です。

 ソマティックは直訳すると、体の、身体性の、という意味です。

 アメリカではサイコセラピーや心理カウンセリングがとても盛んで、2000年から2001年にかけて、4000万人もの人が、何らかのカウンセリングを受けたという数字もあります。

 それだけメンタルが厳しいと感じている人が多い訳ですが、言葉だけのセラピーでは限界があるという考え方も強まっています。

 例えばストレスで胃が痛くなったり、緊張すると肩が凝ったりするわけで、そもそも体と心はつながっているのだから、両方を総合的に癒やす必要があるという考え方です。

 PTSDの治療で知られるエリザベス・フェドレック博士によれば、心理的なトラウマは細胞レベルで蓄積されるということで、心だけ治療するのは無理があるという考え方を裏付けています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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