患者さんを落ち着かせるためにも、いったん訴えを否定せずに受け入れましょう。そのうえで今ここにいることで得られるメリットを伝えてあげると患者さんは受け入れやすくなります。「夕飯を準備したので食べていきませんか」「娘さんは今買い物に行っているのでお茶でも飲みながら一緒に待ちましょう」などと、安心できる言葉がけをするといいでしょう。
また、夕方の決まった時間に本人が好きなことを行うと、気が紛れて落ち着きやすい印象があります。症状が現れる時間を把握し、その時間にお茶やおやつを渡したり、本人の好きな音楽やDVD観賞をするとリラックスでき、夕暮れ症候群の予防につながります。
認知症の進行が比較的緩やかで記憶力が保たれている人の場合、毎日同じ時間にそれらを継続すると生活リズムを整えられ、日内リズムの変動も改善して、夕暮れ症候群が起こりにくくなります。
名医が答える病気と体の悩み