患者に聞け

糖尿病(4)血糖値が低下し専門医は「将来薬をやめることも可能」と

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ウオーキングと食事制限を始めて10日後、春の健診で糖尿病を指摘された60代のAさんは糖尿病専門医による診察日を迎えた。

「健診時では170(㎎/デシリットル)以上、HbA1cが9%台でしたが、この間、体重は5キロ近く落ちたので、あるいは正常値近くまで下がったのでは、と期待していました」

 結果は、血糖値は140(126以上は糖尿病)、HbA1cは8%台(6.5%以上は糖尿病)。Aさんは、ホッとした半面、「努力してもこの数値。やはり糖尿病か」と落胆したという。

「昔の東大総長が卒業式で、哲学者の言葉を引用して『太った豚より、痩せたソクラテスになれ』と語ったと聞き、私大卒でもそうありたいと思った。当時の自分を思い出し、恥ずかしくなった」

 落胆したAさんに糖尿病専門医は次のような話をしたという。

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