たとえば、4位の脳血管疾患では、心房細動によって心臓内につくられた血栓が脳の血管に移動して詰まる脳梗塞が全体の4分の1ほど見られます。5位の肺炎でも、背景に心臓病があった人が少なくありません。
また、4万7635人が亡くなった新型コロナなどの呼吸器疾患を合併する感染症でも、心臓に基礎疾患があって心機能が悪い人は死亡リスクが高くなります。
それぞれの死因の中から、こうした心臓病が背景にある人を加えると、心疾患の死亡は、悪性新生物(がん)と同じくらいになると予想されます。そして、裏側に心臓病があって亡くなるのは、圧倒的に高齢者が多いのです。
ですから、心臓にトラブルがある場合、高齢者ほど治せるならしっかり治しておくことが、健康寿命を延ばすことにつながります。ほかの病気にかかったときの死亡リスクを下げることができるからです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」