名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

医療数字のカラクリ

  • がん患者に見る「雨乞い効果」と「治療効果」

    がん患者に見る「雨乞い効果」と「治療効果」

     進行がんに対してある治療をしたら、1年後に全員が生きていたというような話を聞いたことはありませんか。大抵の人は「治療のおかげで生き延びることができた」と考えるはずです。...
  • 診断技術がアップすると生存率が伸びる

    診断技術がアップすると生存率が伸びる

     検査によって治療できるわけではありませんが、診断技術が進歩すると、がん患者の生存率が一見、よくなったようなデータが示されます。ちょっとややこしい話ですので、よく考えなが...
  • 「生き残った人だけの治療法」に意味はない

    「生き残った人だけの治療法」に意味はない

     これまで、患者さんの「行く末」を示す数字のさまざまな見方を示してきましたが、今回からはそうした数字がどのような研究に基づいているのかを見ていきましょう。  医療にかか...
  • 余命宣告は数字の希望の側面を照らすことにある

    余命宣告は数字の希望の側面を照らすことにある

     生存率の数字のカラクリについて長々と書いてきましたが、結局のところ「個別の患者さんがどうなるかはよくわからない」ということだけがハッキリしたような状況です。  進行が...
  • 余命宣告を受けた後の生き方

    余命宣告を受けた後の生き方

     前回、「明日は生きているか死んでいるかのどちらかだ」などと書きましたが、現実はそう単純ではありません。  同じ生きているといっても、普通に生活できている場合もあれば、...
  • 余命宣告の数字は他人のデータ

    余命宣告の数字は他人のデータ

     数字で示される余命は、自分に当てはまるかどうかわかりません。そのデータはあなた自身の人生から導き出されたものではなく、あなたに似た患者を集計して求められたものである上に...
  • 進行がん「治さない方がいい」とも言い切れない

    進行がん「治さない方がいい」とも言い切れない

     前回は「進行がんと宣告されたら、残りの時間は全部、自分のために使った方がいい。治療なんか無駄だ」というニュアンスで書きました。しかし、現実はそう簡単ではありません。...

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