科学ジャーナリストが警鐘 添加物だらけ「菓子の危険度」

購入前に成分を要チェック/(C)日刊ゲンダイ
購入前に成分を要チェック/(C)日刊ゲンダイ

 食品添加物を気にする人が増えている。とりわけ20代、30代で小さな子供がいる夫婦たちは敏感だ。こうした中、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏が気になる新刊を上梓した。「お菓子の危険度調べました」(三才ブックス)がそれ。

 スナック菓子からアイスまで146商品の食品添加物を徹底チェック。健康のために「食べてもいい商品」と「いけない商品」に分別した力作だ。社名、商品名入りの分析なので説得力はある。

 しかも、2つに大別した上で前者をさらに添加物の使用種類などによって「優」「良」「可」に分類表示。後者には「不可」表示をつけて“食べてはいけない”と力説。添加物が気が気じゃない人にとってはうってつけの本だろう。

 チェック商品は「ロングセラーのお菓子」「子どもに好まれるお菓子」など5ジャンルに及ぶ。その中で、「健康志向のお菓子」ジャンルにはサラリーマンが口にする機会が多いシュガーレスガムやのど飴、健康系のスナックが並ぶ。渡辺氏はこれらを前述の4つの表示で分類している。

「まず、添加物を使用していない、あるいは安全性が高い添加物が3種類以内のものを『良』としました。さらに、健康にプラスになる要素が加えてあるものが『優』です」(渡辺雄二氏)

「優」なら健康リスクはゼロ。体のためには取った方がいいのだが、例えば、「健康志向のお菓子」では22商品中わずか1商品のみだった。

■合成甘味料の怖さ

 もちろん、ひとくちに添加物と言っても種類はさまざま。厚労省が安全と判断しているものもある。逆に、別表の物質について渡辺氏は「発がん性やその疑いがある」など健康を害する恐れがあると警告する。

「私がこの本の中で『不可』としたのは、表の中の<特に危険性が高い添加物を含むもの>や、<刺激性の強い香料が使われ気分が悪くなる恐れがあるもの>、そして<多くの添加物によって胃腸障害を起こす恐れがあるもの>です。たとえば、のど飴やシュガーレスガムに含まれる合成甘味料は<特に危険性が高い添加物>。アスパルテームは動物実験で発がん性が、スクラロースやアセスルファムKは動物実験で臓器へのダメージが認められている。継続的に摂取するのは危険なのです」

 ただし、「香料」や「着色料」などと一括表示され、具体的な成分が分からないケースが多かったのも事実。渡辺氏はそれらを「可」としたが、安全と言い切るのなら成分名も明記してほしいというのが消費者の切なる願いだろう。