40代は認めたがらないが…初めての老眼対策「基本のキ」

早めの対策が肝心/(C)日刊ゲンダイ
早めの対策が肝心/(C)日刊ゲンダイ

 手にしたスマホの字が読みづらい。何とか焦点を合わせようとするが、知らず知らずのうちにスマホを遠ざけて見ている。

「老眼ですか?」と後輩に言われてハッと気付く。

<オレもそんな年になったか…>

 老眼は通常40歳前後から始まり、65歳ぐらいまで徐々に進行していく。加齢によって水晶体が硬くなり、ピントが合わせにくくなるなどして起きる現象だ。

 しかし、コンタクトレンズ販売大手の「アイシティ」のアンケート調査によると、老眼の自覚症状がある人の7割が視力矯正などの対策をしていないことが分かった。特に「40~44歳」の91%、「45~49歳」の81%が対策をしていない。「面倒」などの理由のほかに、「老眼を認めたくない」というのが、この世代の特徴だ。

 記者も同世代。最近、長時間パソコンで作業していると、文字がかすれてくることを自覚しているが、特に何もしていなかった。

 ところが、このまま無理をしていると、頭痛や肩凝り、吐き気の原因になるというから穏やかでない。そこで恥ずかしながら「初めての老眼鏡」を購入することにした。最近は老眼鏡もオシャレになっているという。

■デスクワーク派かアクティブ派か

 行った先は、格安メガネチェーン「JINS」の江東区内の店舗。

「老眼鏡が欲しいのですが」
「お仕事は何をしていらっしゃいますか?」
「主にデスクワークです」

 それでは、と勧められたのが遠近両用メガネ。ただ、個々のライフスタイルによって選ぶメガネも違ってきて、(1)手元がよく見える(2)遠くがよく見える(3)その中間の3タイプがある。パソコン作業の多い人は(1)を、スポーツをしたり車の運転をしたりする人は(2)といった具合で選ぶ。遠近両用のコンタクトレンズも同じだ。

「パソコン作業が多いようでしたら、普段お使いの近視メガネの度数1.0より少し下げ、0.8にした方がいいでしょう」(女性店員)

 矯正視力を低くした方が、目の疲れが少なくなるという。選んだフレームは赤で、価格は6372円(税込み)。1万円かからないのは助かった。しかも、黒縁から赤に替えたことで、「若く見える」という声もチラホラ。

 老眼鏡は100円ショップでも売られているが、既製品は乱視対応がなく、両目の度数が同じだから、左右で視力が違う人には向かない。

 一方、どうしても「老眼を認めたくない」というガンコ者は、老眼を緩和する方法もある。名古屋市にある「ほんべ眼科」院長の本部千博医師の近著「自分で目をよくする本」(ワニブックス)によると、老眼は加齢のせいばかりでなく、血流不足などが原因で起こるケースもあるという。予防のため、目の周囲にあるツボを“イタ気持ちいい”程度に押したり、頚椎のストレッチをしたりするのが効果的だ。

 改めて本部院長に聞いた。
「パソコンやスマホなど近くのものばかりを見ていると目の毛様体筋が凝り固まるので、外を歩くときは100メートルほど先を見るつもりで歩くといい。<モグラたたき>や<エアホッケー>といったゲームも、目のトレーニングになります」

 老眼の目安のひとつは「30センチ先の本がしっかり読めない」こと。早めの対策が肝心だ。

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